2024/11/28
2024年9月2日からおこなわれている主要行の
短期プライムレート引き上げは、2007年3月以来、
およそ17年半ぶりとなりました。
短期プライムレートは企業の借入や住宅ローンなどにも
多く採用されているため、企業経営や家計への影響が懸念されています。
金融機関が信用力の高い融資先へ貸付するときの
最優遇貸出金利(期間1年未満)のことです。
短期プライムレートは各金融機関がそれぞれ決めるため、
一律ではありません。
日銀が2024年7月30日、31日の金融政策決定会合において
政策金利を0.25%程度へ引き上げることを決め、
これを受けて金融機関が相次いで短期プライムレートを引き上げました。
短期プライムレートは企業の借入や住宅ローンの利率として
広く採用されているため、引き上げによって預金・住宅ローン・
企業経営などさまざまな分野に影響します。
長期借入の利率の指標となる10年国債利回りが上昇しているため、
今後、更に金利が上昇する可能性があると予測されています。
金利引き上げの影響を業種別でみると、不動産業や製造業などに
マイナスの影響が大きいとみられています。
1.預金金利の引き上げ
預金が潤沢な企業は受取利息の増加という良い影響
2.設備投資・住宅取得などの鈍化
企業では設備投資を抑制あるいは先送り、
個人では新規の住宅取得を先送りなどの影響
3.住宅ローン金利の上昇
変動金利型の住宅ローンの利率が上昇
4.支払利息の増加
借入金の支払利息が増加する可能性
短期プライムレートの引き上げは17年半ぶりとなるため、
経営者の多くは初めて金利上昇による影響を
体験することとなるでしょう。
金利の上昇によって支払利息が増加すると企業の体力を消耗するため、
本格的に金利が上昇するリスクに備えておくことがおすすめです。
中小企業における金利上昇対策の主な例は次のとおりです。
1.借入金の削減
過剰な借入金の返済、資金繰り改善、遊休資産の売却など
2.固定利率への切り替え
場合によっては固定金利への変更、
または固定金利の融資への借換
3.金融機関との交渉
借入の利率は交渉によって変わることがあるため、
無理のない範囲内で金融機関と交渉
4.財務の改善
自社の財務を改善することで、より有利な条件で借入できる可能性
5.収益の改善 自社の収益性を改善することで支払利息の増加を吸収する(補助金活用など)
中小企業は今後一層の金利上昇に備え、
経営改善を進める必要があるでしょう。
自社の資金繰り改善のポイントを知りたい、
金融機関からの評価を高める方法はなにかなど、
金利上昇から自社を守るための施策については
ぜひ一度ご相談ください!