2026/01/20
令和8年度税制改正では、物価上昇への対応や働き方の多様化を踏まえ、個人所得課税を中心に
幅広い改正が行われます。
特に、所得税がかかり始める「年収の壁」の引上げをはじめ、各種控除制度の見直しが大きな
ポイントとなっております。
今回の改正により、所得税が課税され始める年収の基準が、これまでの103万円から178万円へと
大きく引き上げられます。これは、基礎控除および給与所得控除の最低保障額を物価上昇に応じて
見直すことによるものです。
この改正により、パートやアルバイトとして働く方が税負担を意識して就業時間を調整する必要性が
緩和され、より柔軟な働き方が可能になることが期待されています。
扶養控除や配偶者控除については、適用対象となる所得要件が引き上げられ、これまで控除の対象外と
なっていた方も新たに適用を受けられる可能性があります。
また、ひとり親控除については控除額が35万円から38万円へ引き上げられ、子育てと就労を両立され
ている世帯への支援が一層強化されます。
宅ローン控除については、制度の適用期限が延長されるとともに、省エネ性能の高い住宅を中心に
借入限度額や控除期間の見直しが行われます。
既存住宅についても、一定の省エネ基準を満たす場合には控除の対象となるなど、環境配慮型住宅の
取得や改修を後押しする内容となっています。
青色申告特別控除では、電子申告など一定の要件を満たす場合、控除額が最大75万円へ引き上げられ
ます。これは、税務手続きのデジタル化を促進するとともに、事業者の事務負担軽減を図るものです。
また、マイカー通勤手当の非課税限度額についても見直しが行われ、実際の通勤距離や燃料費の上昇を
踏まえた制度改正となっています。
一方で、税負担の公平性を確保する観点から、高所得者に対する課税の見直しも行われます。加えて、
防衛特別所得税(仮称)が創設され、一定期間、所得に応じた新たな負担が求められる予定です。
これにより、所得階層間のバランスを考慮した税制体系への調整が進められます。
令和8年度税制改正は、働き方、家族構成、住宅取得の有無など、さまざまなライフステージに応じて
影響が異なります。ご自身やご家族の状況にどのような影響があるのかを早めに確認し、必要に応じて
専門家へ相談されることをおすすめいたします。