2026/02/25
ものづくり補助金23次公募では、賃金引上げ要件が整理され、未達の場合は補助金返還の可能性があります。
さらに、目標値の「表明」や算定方法の誤りがリスクにつながる点も要注意です。
22次公募との違いと、計画づくりで外せない注意点をまとめます。
\制度運用は「通常モード」へ、要件は「厳格化」/
23次公募では賃金の増加要件(基本要件②)が「従業員1人あたり給与支給総額・年平均3.5%以上」となり、
目標の表明と達成管理の精度がより重要になりました。
22次公募との違いは下記のとおりです。
【22次公募との違い】
<対象指標>
◎22次公募
①給与支給総額(従業員・役員)/
②1人あたり給与支給総額(従業員・役員)
◎23次公募
従業員1人あたり給与支給総額
<達成水準>
◎22次公募
①年平均2.0%以上
②都道府県の最低賃金
直近5年の伸び率以上(いずれか)
◎23次公募
年平均3.5%以上
<未達時の扱い>
◎22次公募
未達の場合、補助金返還の対象
◎23次公募
未達の場合、未達成率に応じ返還
表明が無い場合は取消・返還
23次公募では、賃金引上げ要件が採択後の返還リスクにも直結します。
「申請のための数値」ではなく、数年の経営計画として実行可能かを先に点検することが安全です。
【年平均3.5%以上の増加が必須】
補助事業終了後の事業計画期間(3~5年)で、従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が求められます。
あわせて、申請時に目標値を設定し、従業員等への表明が必要です。
【「給与支給総額」の正しい定義】
「1人あたり給与支給総額」は、従業員に支払う
給与等(給料・賃金・賞与等)を基礎に算定し、役員報酬や福利厚生費・法定福利費、退職金は除外されます。
“人件費全体”の感覚で混ぜてしまうと、計画と実績がズレるため注意が必要です。
【算出対象となる従業員の考え方】
算定では、各年度において全月分の
給与等の支給を受けた従業員を対象とします。
中途採用・退職等で全月支給でない従業員は、その年度の算定から除外します。
産休・育休・介護休業等で時短勤務の従業員は除外可能です。
パート等は正社員の就業時間に換算して人数を算出します。
・全月支給の従業員のみを対象にしているか
・中途入社・退職は年度ごとに除外できているか
・休業・時短の除外ルールを反映したか
・パート等を就業時間換算で人数算出したか
■目標未達成なら補助金返還
事業計画期間の最終年度に目標を達成できない場合、
未達成率に応じて補助金返還を求める扱いが明記されています。
さらに、従業員等への目標値の表明がされていない場合は、交付決定取消・補助金返還となる点も要注意です。
■よくある失敗パターン
・“人件費総額”で見てしまい、定義違いでズレる
(役員報酬・法定福利費などの混入)
・対象従業員の拾い方がズレる(全月支給・パート換算・休業/時短の扱い)
・表明の手続き漏れ(実績以前に返還・取消の論点になる)
23次公募は賃金引上げ計画の精度が、採択後の返還リスクを左右します。
算定と表明を要領に沿って整理し、不安があればお気軽に当事務所までご相談ください。