2026/10/01
2026年(令和8年)度、最低賃金が大きく変わります。
物価高騰や人手不足が深刻化する中、厚生労働省より改定の目安が示され、各都道府県で順次新しい最低賃金が適用されます。
今回は、経営者や人事担当者だけでなく、働くすべての方が知っておくべき「最低賃金の計算方法」や「2026年からの新しい税制」について、ポイントを絞って解説します。
地域別最低賃金は、正社員、パート・アルバイト、臨時・嘱託など、雇用形態に関わらずすべての労働者に適用されます。特に注意が必要なのは、「月給制の正社員」です。
「月給だから大丈夫」と思っていても、時給に換算すると最低賃金を下回っているケースが意外と見落とされがちです。
最低賃金をチェックする際、実際の支払額すべてが対象になるわけではありません。以下の手当などは除外して計算します。
対象外となる主な賃金
精皆勤手当、通勤手当、家族手当
残業代(時間外・休日・深夜勤務手当)
賞与(ボーナス)や臨時の結婚手当など
【計算式】
対象となる賃金 = 実際の支払額 - 対象とならない賃金(上記)
この「対象となる賃金」を時給換算し、お住まいの地域の最低賃金額と比較します。
2026年1月より、所得税がかかり始めるいわゆる「103万円の壁」が、178万円へと大幅に引き上げられています。
年収の壁が引き上げられた背景として、約30年間据え置かれていた基準を、近年の最低賃金上昇率に合わせて見直し、「もっと働きたいのに働けない」という働き控えの解消があります。
ただ、178万円はあくまで「所得税」の話です。社会保険の扶養(130万円の壁)は別の制度として残るため、手取り額を減らさないためには慎重なシミュレーションが必要です。
群馬県では、令和8年10月3日より地域別最低賃金が時間額1,120円(前年比57円増)に改正されます。特定の製造業(製鋼、機械器具など)には、さらに高い「特定最低賃金」が設定されている場合があるため、業種ごとの確認も欠かせません。
賃上げに伴うコスト増に対応するため、国は支援策を用意しています。
「業務改善助成金」は、事業場内の最低賃金を引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資(POSレジ導入や機械の買い替えなど)を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。
また、自治体による中小企業向けの賃上げ支援事業などもあります。
最低賃金制度を守ることは義務であり、違反した場合は罰則(50万円以下の罰金)の対象となる可能性もあります。
「自社の給与計算が不安」「助成金を活用したい」という方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
厚生労働省 「賃上げ」支援助成金パッケージ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/package_00007.html